1:名無しさん@おーぷん:2016/03/01(火)13:02:20 Q6p
若い頃、職にあぶれて陸上自衛隊に入隊したんだが、その時に体験した話。

交代で24時間の駐屯地警備の任に就くんだが、夜中に古い木造の隊舎を見回ることになっている。
昭和初期に建てられ、現在は倉庫として使われているその建物はあからさまに不気味だったが、
例えどんなに怖がりでも、その隊舎内に点検記録簿があるもんだから行くしかない。
俺はオカルトを気にしないからいつもツカツカと入って見回りして署名をするんだが、ある夜違和感を感じた。
梁の辺りに何かがあるような気がして天井を照らすとすぐにその違和感の元を見付けたわけだが、
それは「ある」ではなくて「居る」のだと直感した。
顔だった。小さな女の子が梁の上からこちらを覗いていた。
流石に身体が一瞬痙攣し身構えたが、それは誰かがいたずらで置いた日本人形だった。

怖がりの同期の反応を見たくてそのままにしておいた。
その日以降、警備当番の時は梁を見上げて挨拶するのが退官までの日課になった。
同期は叫び声をあげた。
終わり
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